防サイくんが行く!耐震化マンション訪問記

最終更新日:令和6(2024)年3月11日

■防サイくんが行く!耐震化マンション訪問記

東京防災公式キャラクターの「防サイくん」が、耐震化に取り組むマンションに訪問し、取組の内容を紹介します。

第1回 代官山コーポラス(前編)

 

マンションの耐震化について調査するため、東京防災公式キャラクターの防サイくんに、
渋谷区にある代官山コーポラスさんを訪問してもらいました。
こちらのマンションは現在耐震改修工事の真っ最中。現在の工事の状況や、
耐震化を実施するにあたって大変だったことなどを、理事長さんに伺いました。

代官山コーポラス

 

―どのような耐震改修を行っているのか、教えてくだサイ!

住民の皆さんとの話し合いで、当初に検討したブレースをつける工法ではなく、
外観や居住性に影響の少ない外付けフレームを採用しました。

取材時のN棟の状況(左)と完成後のN棟のイメージ(右)▲取材時のN棟の状況(左)と完成後のN棟のイメージ(右)1~3階に外付けフレームが付きますが、
あまり目立たないような仕上がりになる予定です。

 

―マンションに何かを取り付けているようですが、これは何ですか?

こちらは外付けフレームを取り付けるためのアンカーです。住みながらの工事なので、
騒音を少しでも緩和させるために、アンカーを埋め込む際は音の少ない工法を選択しました。

▲写真(左)の赤丸内がアンカーです。図(右)の赤丸部分になります。▲写真(左)の赤丸内がアンカーです。図(右)の赤丸部分になります。

 

―なぜ耐震化をしようと思ったのですか?

高経年のマンションで、耐震性にも不安があったので建替えを検討していたのですが、
各区分所有者の専有面積確保が難しい等の理由から、耐震化に進むことにしました。

 

―なるほど。建替えと比較して、耐震化を選択されたのですね。
 耐震化を進めるにあたって、何か活用された制度等はありますか?

耐震診断や設計、工事には、自治体の補助金を活用しました。
今回は
工事費約2.2億円のうち2割の助成を受ける予定です。
また、
専門家団体に早い段階で相談をしたことで、スムーズに施工会社等を
選ぶことができました。

住みながらの工事の工夫は他にも!騒音対策として白い遮音パネル(写真赤丸内)が貼られています。▲住みながらの工事の工夫は他にも!騒音対策として白い遮音パネル(写真赤丸内)が貼られています。

 

―耐震工事にあたって、何か特別に取り組まれたことはありますか?

小学校が隣接しているので、工事前にあいさつに行きました。また、副校長先生や
PTAの役員の皆さんと、児童の通学に対する安全対策や、校舎に隣接する部分への防音シートの
設置等の打合せを行いました。
その他にも、町会長さんへのあいさつや、近隣居住者の皆様へ工事案内の配布、業者と説明に伺うなど、
近隣地域への周知や協力依頼を丁寧に行いました。

 

―近隣地域への丁寧な説明で、耐震化が順調に進んでいるのですね!

耐震化に取り組んで良かったことは何ですか?

最近地震が多いので、工事が完了したら安心できるなと思います。
住民の皆さんからも、早く工事が完了してほしいとの声をいただいています。

 

―ありがとうございました。また工事が完了したら、お話を聞かせてくだサイ!

お話を聞かせてくださった岡部理事長、ありがとうございました!▲お話を聞かせてくださった岡部理事長、ありがとうございました!

★代官山コーポラス(後編)は秋頃更新予定です。
 工事完了後の様子や、資金のお話等を紹介する予定ですのでお楽しみに!

第2回 代官山コーポラス(後編)

 

                    渋谷区にある代官山コーポラスさんのマンション耐震改修工事が完了したので、
                    東京防災公式キャラクターの防サイくんに再びマンションを訪問してもらいました。

岡部理事長(写真左)と稲川さん(写真右)

 

代官山コーポラスさんでは、マンションの耐震化にあたり外付けフレーム工法を採用されています。
今回の訪問では岡部理事長(写真左)とフレームの設置されたお部屋にお住まいの稲川さん(写真右)
に資金面や感想などを伺いました。

―耐震改修が完了したことについて感想を教えてくだサイ!

理事長)住民の方から、耐震化をして良かったとのお声をいただいています。

稲川さん)マンションを購入してすぐ耐震改修となりましたが、いずれ建替えか改修になると思っていたので、早くできてよかったと思っています。
修繕積立金の値上げについて負担は感じませんでした。外付けフレームの工法を選んだことで、工事代金は高くなりましたが、審美性のある外観となり満足しています。
工事完了後、フレームによりバルコニーが出っ張っていますが工事前と室内からの景観は変わらず、
居住性に影響はありません。

―外付けフレーム工法を採用した経緯を教えてくだサイ!

理事長)最初はブレース工法を検討しましたが、室内からの眺望が遮られるため反対意見が多くでました。その当時は外付けフレームの実績が少なく工事代金が高かったのですが、ここ数年で実績ができ、工事代金も検討できる範囲になったので採用しました。

工事完成後の写真 3階外付けフレームの出っ張り

-耐震化が成功したポイントなどを教えてくだサイ!

理事長)年金生活をされている住民の方も多いため、修繕積立金の値上げについて、理解を得られるよう住民の方の意見を汲み取りながら資金計画をたてました。助成制度を活用できたことも大きいです。また、設計会社が区の助成制度や住宅金融支援機構の融資の申請等について教えてくれたのでとても助かりました。

-成功のポイントである資金計画について詳しく教えてくだサイ!

理事長)N棟とS棟をあわせて、耐震診断費、補強設計費、改修工事費で約2億4千万円かかりました。
住宅金融支援機構の融資(20年)、区の助成制度を活用しています。
融資の返済にあたっては、修繕積立金を1階、2階が1万2千円から1万8千円に、3階から5階が1万8千円から2万7千円に値上げや、駐車場使用料の値上げをしています。

図

また、住宅金融支援機構の融資の実行が工事完成後のため、着手金を修繕積立金から支払い、中間時の支払いにつなぎ融資を活用する等の工夫が必要でした。

※自治体によって助成率・助成の限度額が異なります。

―耐震改修工事中の様子はいかがでしたか教えてくだサイ!

稲川さん)工事中の8か月間、コロナで在宅勤務が増えた分、騒音が気になったり、また、工事により足場で囲われている間は洗濯が乾かず、コインランドリーを利用したりと不便もありましたが、安心感には替えがたいと思います。
また、フレームを設置するために、地中に基礎を造るなど、丁寧にしっかりと工事をされている様子を見て、これだけの高額な費用が掛かるんだということが理解できました。

-耐震改修工事について工夫した点を教えてくだサイ!

理事長)工事中、施工会社が踊り場にホワイトボードを設置し、工事の進捗状況や当日の工事箇所など、毎日情報を更新して、住民の方にお知らせしてくれました。このように情報共有をおこなうことで、苦情はほとんどありませんでした。

稲川さん)ホワイトボードを見て、「明日は騒音がするので外出しよう」等と予定を立てることができました。

2号棟の通路は通り抜けできませんのでご注意願います。 22日(火)アンカーの削孔、折込の工事を行います。斫り工事に近い振動、騒音が予測されます。1日で終了予定ですのでご協力をお願いします。

防サイくんも前回訪問時に見ました!とてもわかりやすいですね。

―住民の方への丁寧な説明も耐震化に成功したポイントですね。

貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました

北面には鉄骨柱による耐震補強もしています(N棟) 鉄骨間柱の基礎

第3回 玉川サンケイハウス

 

東京防災公式キャラクターの防サイくんが、令和4年10月に開催した「耐震改修成功事例見学会 玉川サンケイハウス」に参加してくれた様子を紹介してくれます。
先ずは、マンションで浮島理事長のご説明を聞きながら耐震ブレース等を見学します。

 

 

―何か工事をしていますが、何の工事をしているか教えてくだサイ!

(理事長)今は、大規模修繕工事を実施中です。いつ来てもおかしくない首都直下型地震に備え、先行して実施した耐震改修工事は、この5月に終えたところです。

 

―耐震改修工事を紹介してくだサイ!

(理事長)当マンションはメゾネットタイプなので、北面の2層毎にある廊下と住戸のバルコニーの一部に鉄骨ブレースを設置したほか、数カ所の壁にスリットを入れています。

北棟の北側の建物内に設置されたブレース 防サイくん、廊下の耐震ブレースでお昼寝!?

 

―マンションから説明会場に移動し、耐震化の取組についてお話を伺います。

―長谷川副理事長、「耐震改修に至るまでの経緯、苦労した点など」について聞かせてくだサイ!

(副理事長)
このマンションは、昭和43年建設で、4階建の南棟、8階建の北棟の2棟、78戸です。
平成27年に耐震診断したところ、壁式構造の南棟は耐震性有、北棟は耐震性不足との結果でした。
耐震改修が必要なことが判明した後、高額な改修工事費やブレースによる居住性が低下等反対の声もありましたが、専門家の方の力を借りながら、耐震性の必要性や資産価値の向上を粘り強く説明し、工事費の削減を検討する等して、令和4年5月に工事を完了することができました。

耐震改修工事は約2億円かかりました。この費用には、大規模修繕のために既に値上げ(400円/㎡)していた修繕積立金や、世田谷区の補助金(4300万円強)を活用しました。

施工した耐震ブレースについては、北側に設置することで南側バルコニーの快適性は保たれましたし、思っていたよりも外観を損ねることはなく、また、居室内からの眺望についてはじめは違和感があったものの、慣れれば大丈夫になりました。

当時の理事長をしていた長谷川副理事長 4F建の南棟と8階建の北棟

 

―参加した方からの質問にも答えてくだサイ!

Q 修繕積立金だけでまかなえたのですか?
A 修繕積立金以外に、住宅金融支援機構から融資(2億円弱)を受け、10年かけて返済する計画です。また、東京都の利子補給を受け、実質的には無利子の借り入れになりました。

Q 建て替えについての検討はしましたか?
A 勉強会という形で検討しました。検討の結果、現住戸を増やす建替えは困難であることがわかり、断念しました。

 

資金計画の検討にあたっては、東京都のこちらのサイトをご参照ください。

 

―次に、「改修・ 施工方法等」について、事業者さんから教えてくだサイ!

(設計事業者)
補強案として、住みながらの施工、経済性を踏まえ、複数案を提示しました。
(案1)効率性を重視し、補強のための基礎等が不要な「既存の建物内にブレース設置」する案
(案2)居住性を重視し、(敷地に余裕のある)南側に「アウトフレームを設置」する案
また、耐震工事による住戸や設備に対する影響を具体的に説明し、CGでバルコニー窓からの眺望を作成してイメージを共有する等により、マンションの方々の理解を深める取り組みを行いました。

 

改修にあたっては、複数の計画案を比較検討したのですね!

(施工事業者)
ブレース36カ所、スリット18カ所、ペントハウス、鉄骨階段の接合部2か所の工事を8月に着手し、翌年5月まで実施しました。

補強案のひとつ(窓から眺望のイメージ) アンカー取付 鉄骨ブレース設置

 

耐震ブレースを見ることができ、耐震化成功の秘訣がわかりました。

玉川サンケイハウスの管理組合様、事業者の皆様、ありがとうございました!

長谷川副理事長と浮島理事長 皆さんも耐震化してくだサイ!

 

第4回 藤の台団地

 

防サイくんが行く!耐震化マンション訪問記
第4回 町田市 藤の台団地

耐震改修工事が今年完了した町田市にある「藤の台団地」を東京防災公式キャラクターの防サイくんに訪問してもらいました。団地ならではの耐震化の取組の工夫や苦労した点などを理事長さん、修繕特別委員会委員長さん、事務局長さんに聞いてきました!

特別修繕委員会委員長の市本さん(写真左)と理事長の小林さん(写真中央)と事務局長の伊藤さん(写真右)

今回の訪問では特別修繕委員会委員長の市本さん(写真左)と理事長の小林さん(写真中央)と事務局長の伊藤さん(写真右)にお話しを伺いました。

 

藤の台団地 全景

 (写真 藤の台団地 全景)

―耐震改修に取り組むこととなったきっかけを教えてくだサイ!

 藤の台団地は日本住宅公団(現:都市再生機構)が建設した賃貸・分譲の棟からなる団地です。1~3街区まであり、1・3街区が賃貸で2街区が分譲です。分譲は全部で52棟、1199戸あります。日本住宅公団から、賃貸マンションの棟の耐震改修工事を開始することが発表されたことをきっかけに、分譲マンションの棟についても、修繕特別委員会の委員長を中心に理事たち有志で耐震化の勉強会を開始しました。その後、正式に委員会を立ち上げ、耐震化に取り組むことになりました。住民の皆さんにアンケートも行いましたが、他のテーマのアンケートよりも回答率が高く、熊本地震など大きな地震をみて、住民の皆さんの耐震化の意識が高まったように感じました。

 

―耐震診断の実施を検討する際に、区分所有者の方からどんな意見が出ましたか?

 区分所有者の方の中には、壁式構造の建物なら耐震性は問題ないと思っている方もいて、耐震化より他の工事を優先してはどうか、という声もありました。
 町田市内の団地の取組を調べてみると、鉄筋コンクリート造の壁式構造のマンションで耐震診断を実施したところ、耐震性能が不足していた事例もあり、「壁式構造だからといって、耐震性があるとは限らない。まずは耐震診断してみよう」という説明を皆さんにしました。

 

―耐震化の取組の体制はどうでしたか?

 修繕特別委員会の委員長を中心に理事たち有志で検討を始めましたが、その後正式に耐震化の取組のための組織を設置しました。藤の台団地では、管理組合の理事の任期満了後も、再度立候補する方が多く、継続的に関わってくれた方がいたことで、耐震化の取組が停滞せずに最後まで完了することができました。

 

―耐震化の取組で工夫したことは何ですか?

 棟数の多い団地で、区分所有者の数がとても多いため、合意形成に向けて工夫をしました。  委員会が耐震化の全体計画をきちんと整理し、分かりやすく説明し、皆さんに理解してもらえるよう準備を進めました。特に、専門的な話は住民の方に分かりやすく伝えるよう、工夫しました。また住民の方の年齢層も踏まえて、建替えた場合の費用負担なども比較検討を行い、その結果、耐震診断実施前のアンケートでは9割以上が耐震化に賛成との回答でした。
 改修工事の実施には区分所有者の4分の3の合意が必要なため、投票してもらうために理事の方は外部所有者に、事務局の方は過去3年間議決権行使をしていない方に電話をするなどしました。
 投票の前には、事前に質問に答え、棟ごとに説明を行うなどの工夫を行い、その結果、合意を得ることができました。

―団地だと、区分所有者がとても多く、大変だと思いますが、耐震化の全体計画を分かりやすくお伝えすることがうまくいったポイントだったのですね!

 耐震化の取組を進めていく中で、他の団地の耐震化の事例の見学も行いました。団地で耐震化に取り組んだ事例は自分たちの取組にとって、とても参考になりました。事例見学の機会がとても有効だと思います。

 

―他のマンションの耐震化の事例を見学することが、とても有効なのですね!実は東京都でも耐震化の事例見学会をやっているので、ぜひ耐震化の検討にご活用ください。

 

-耐震化の取組の資金計画について教えてくだサイ!

 耐震診断実施の結果、設計事務所から提示された概算の改修工事費用は6億近いものでした。しかし、2017年の耐震改修設計指針の改定により、再度耐震診断をした結果に基づいて改修計画案を見直したところ、実現可能性の高い工事費用になりました。その結果、修繕積立金と補助金を活用すれば実施できる計画が出来上がりました。

ーなるほど。耐震化の工法や技術も日々進化しており、以前より低い金額で改修工事が実施できる可能性もあると思います。耐震診断の結果、工事費用や工法で悩んで、時間が経過している場合、再度検討することは有効ですね。

 診断の結果、改修が必要となったのは11棟でした。大規模な工事(アウトフレーム設置)は1棟のみで、他はスリットや共用部分での壁の増設などで済みました。
 町田市では分譲マンションの耐震化促進助成制度があり、藤の台団地では、耐震診断、耐震設計と耐震改修工事の費用の補助を活用しました。耐震改修工事では、助成基準により算出した額と実支出額を比較して、いずれか少ない方の額の3分の1を上限まで補助を受けられました。
 団地全体で改修費を負担することにしていたので、10棟については修繕積立金と町田市の補助金で対応し、1棟は修繕積立金だけで対応することができました。
 自治体からの補助制度は今後もずっと実施されるとは限りません。制度が活用できるうちに取り組もう、ということで耐震化を実施しました。

耐震補強箇所(左:袖壁の増設 右:アウトフレームの設置)

写真:耐震補強箇所(左:袖壁の増設 右:アウトフレームの設置)

耐震補強箇所(左:RC巻き立て補強 右:構造スリット)

写真:耐震補強箇所(左:RC巻き立て補強 右:構造スリット)

 

―最後に、耐震化に取り組んで感じた感想を教えてくだサイ!

 耐震性を高める、ということは大地震から命を守るためにとても重要です。そして、自分たちのマンションの資産価値を高める要素としても、とても大事なことだと思います。

 

―貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました!! 

 

第5回 トーア平井マンション

 

防サイくんが行く!耐震化マンション訪問記
第5回 江戸川区 トーア平井マンション

 令和3(2021)年に耐震改修工事が完了した江戸川区にある「トーア平井マンション」を東京防災公式キャラクターの防サイくんに訪問してもらいました。耐震化の取組の工夫や苦労した点などを取組に関わってこられた当時の理事長さんの細川様、部田様、高橋様、耐震診断から工事監理まで携わられた江戸川建築設計協同組合の國分さん、金本さんにお話を聞いてきました!

今回お話を聞かせてくれた皆さん(左から金本さん、高橋さん、部田さん、細川さん、國分さん)

写真 今回お話を聞かせてくれた皆さん(左から金本さん、高橋さん、部田さん、細川さん、國分さん)

 

トーア平井マンション

写真 トーア平井マンション

―耐震改修に取り組んだきっかけを教えてくだサイ!

 最初のきっかけは、平成30年に公益財団法人東京都防災・建築まちづくりセンターから、耐震化のサポート制度の案内はがき※1が来たことでした。
 サポート制度を利用し、マンションの耐震化の専門家を派遣してもらい、耐震化の情報を教えてもらいました。専門家からは、「まずは住民の耐震化に対する意向を確認することが大切」というアドバイスをもらいました。その後、江戸川区からも耐震化の案内がありました。江戸川区へ支援制度の利用の回答をするためにも、まずは住民の方の意向を確認することにしました。
 住民の意向確認の準備のために、HP※2などから耐震化に関する情報を集めました。自治体のHPにはいろいろ情報があり、そこからも情報収集が出来ました。
 また、その時期にマンション保険の更新時期が来ていました。そして出された見積もりがこれまでの保険料の2倍くらいの金額になっていたのです。そこで、当時の理事長がいろいろ調べた結果、マンション管理士にマンションの状態を診断してもらい、その結果で保険料を査定できる保険を見つけました。診断してもらった結果は、S評価(最高評価)でした。そして、保険料はこれまでの金額とほぼ同じに抑えることが出来ました。そして当初の見積金額から抑えることが出来たお金で、これまで未加入だった地震保険を考えることにしました。耐震化がなされれば更に保険料が減額されることをきっかけに、耐震化を考えることになったんです。

 

写真 マンション管理適正化診断でS評価マンションとなりました

写真 マンション管理適正化診断でS評価マンションとなりました

 

※1 東京都では、マンション耐震化推進サポート事業を実施しています。マンションの耐震化を一層促進する
   ため、「東京都におけるマンションの適正な管理の促進に関する条例」に基づく管理状況届出により把握
   した各マンションの状況に応じ、建築士等の専門家を繰り返し派遣し、耐震化に向けた合意形成を支援し
   ています。
マンション耐震化推進サポート事業
 https://www.mansion-tokyo.metro.tokyo.lg.jp/taishinka/03support.html

※2 例えば、東京都では、マンションの耐震化の情報を掲載している「東京都マンションポータルサイト」
   を開設しています。
ポータルサイト
 https://www.mansion-tokyo.metro.tokyo.lg.jp/taishinka/index.html

―住民の方の意向確認の取組について詳しく教えてくだサイ!

 耐震説明会の他、アンケートを実施し、意向確認を行いました。私たちのマンションは9月が定期総会のため、その前にアンケートが完了できるよう、取り組みました。アンケートでは、耐震に関する情報、自分たちのマンションの情報、意向確認したい事項を分かりやすくまとめて配布しました。総会までに、アンケートは2回実施しました。
 1回目のアンケートでは、耐震化について住民の皆さんがどんな意見をお持ちかを確認するために実施しました。そのため、「アンケート結果をもって、早急な結論を出すものではない。」「みんなの意見が熟した時点で、総会の決議を仰ぎたい。」と丁寧に説明を行いました。
 2回目のアンケートでは、耐震化の取組を進めていくかどうか住民の皆さんの意向を確認するために実施しました。そのため、「総会の議案として諮るかどうかを判断するため」のものであることを説明したうえで、実施しました。

 

図:アンケートのイメージ(取材をもとに東京都が作成)

図:アンケートのイメージ(取材をもとに東京都が作成)

 

―アンケートの聞き方や作り方を大変工夫されていることが分かりました!合意形成の進め方はとても参考になります。

 

―アンケートではどんな意見が出たか教えてくだサイ!

 アンケートでは、1回目も2回目も、耐震診断の実施に賛成した方は約5割でした。賛成意見が5割程度だったのは、高齢者の方は関心が低い、個人の費用負担を心配する、などが要因なのではないかと思いました。しかし、耐震診断をしてみないと、耐震改修が必要なのかどうかもわからないのです。そして5割の方が耐震診断の実施に賛同されたので、総会の議案に提起することにしました。アンケートで出た意見について、一つ一つ回答をしていったことも理解につながったのかなと思っています。

 

―耐震化を考える際に、「建替え」も話題に上がったのか教えてくだサイ!

 建替えの議論もありました。若い世代の住民の方は関心があったようですが、私たちのマンションは高齢者の住民が多いこともあり、費用負担の点から検討には至りませんでした。

 

―関心が低い住民の方にはどんな取組をされたのか教えてくだサイ!

 当時理事長だった高橋さんが、住民の皆さんに日ごろのお付き合いの中で、説明してくれるなどフォローしてくれたことがとてもよかったと思います。

 

―補強設計と耐震改修について、総会で同時に諮ったとのことですが、詳しく教えてくだサイ!

 耐震診断の議案を提起した総会で、「補強設計と耐震改修を同じ総会で審議すること」についても議案として提起しました。それは、補強設計と耐震改修はセットだという考えから、補強設計と耐震改修を分けて総会に諮るのは時間の無駄になると思ったからです。また、補強設計から耐震改修の審議に時間が空いてしまうと、耐震化の取組の熱意が低下してしまうことも懸念したからです。

 

―総会の決議ではどんな苦労があったか教えてくだサイ!

 補強設計、耐震改修の実施については、75%の特別決議ですが、委任状、意思表示などの全体票数さえも総会5日前まで集まらず苦労しました。管理会社から個別確認をしてもらうなど、対応しました。

 

―耐震化の費用はどのように確保されたのか、教えてくだサイ!

 私たちのマンションでは、耐震診断の結果、当初の案で補強箇所は1階ピロティ部分の柱補強、壁の増設で全7か所補強するものでした。その段階で工事費の概算見積もりもいただいたのですが、これまでの修繕積立金と江戸川区からの助成金で対応できることが分かりました。最終的に補強設計を実施した結果、補強箇所は柱を1本補強し、壁を1か所増設することで耐震性能を確保できることが分かり、更に工事費が抑えられました。

 

―修繕積立金で対応できたのですね!

 マンションの維持管理は、修繕委員会が長期修繕計画に沿って丁寧に進めています。耐震の検討も修繕委員会の組織が兼ねて実施しました。先ほどの保険の見直しもそうですが、管理方法などを丁寧に見直すことで、不要なものを省いていくことで、修繕積立金を無駄に使わないよう、取り組んでいます。

 

―日頃のマンションの維持管理の取組も丁寧にされていることが活きているんですね。

写真:耐震補強箇所(耐震壁増設)

写真:耐震補強箇所(耐震壁増設)

写真:耐震補強箇所(柱鋼板巻補強)

写真:耐震補強箇所(柱鋼板巻補強)

 

―耐震化したことで良かったことはありますか?

 改修して、耐震マークを取得したのですが、不動産事業者の方が、耐震マークをご覧になり、お話を聞きに来られました。不動産として耐震性能があることは、市場において資産価値がある、とみられているんじゃないかな、と思っています。
 また、専有部分の地震保険の見直しをしたのです。そうしたら、耐震化したことで保険料が割引されることになりました。

 

写真:耐震マーク

写真:耐震マーク

 

―耐震化することのメリットがあると、前向きに取り組んでみようと思うきっかけになりますね。貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました!!

 

第6回 曳舟ダイヤモンドマンション(墨田区)

 

防サイくんが行く!耐震化マンション訪問記
第6回 曳舟ダイヤモンドマンション(墨田区)

 令和4(2022)年に耐震改修工事が完了した墨田区にある「曳舟ダイヤモンドマンション」を東京防災公式キャラクターの防サイくんに訪問してもらいました。
 耐震診断から3年で耐震改修を完了させ、さらに大規模修繕、省エネ改修工事を同時に実施した取組と工夫した点等について伺いました。

写真 曳舟ダイヤモンドマンション全景

写真 曳舟ダイヤモンドマンション全景

写真 (左から)前理事長様、現理事長様、前副理事様、設計者様、施工会社様

写真 (左から)前理事長様、現理事長様、
前副理事様、設計者様、施工会社様

 

―耐震改修に取り組んだきっかけを教えてくだサイ!

 検討を開始したのは、3年計画の埋設排水管改修工事を実施した平成29(2017)年頃でした。過去にも検討していたのですが、区分所有者の入れ替わりと世代交代のタイミングでもあり、「若い人達が安心して住み続ける」ためには建物の耐震性能を「見える化」することが必要だと考えました。

 

―耐震診断に向け、まず何から取り組んだかを教えてくだサイ!

 耐震化に係る相談窓口や区の専門家派遣、セミナーに参加し、情報収集に努めました。また、いくつかのセミナーに参加する中で、講演されていた専門家の方にお声掛けをし、相談してみました。この後、この専門家の方が耐震化に伴走してくださることとなりました。耐震化にむけ、円滑な合意形成を進めていく上では、管理組合の立場に立って、一緒に検討を進めてくれる専門家の存在は不可欠でした。

 

―区分所有者の皆さんの合意形成はどのように進めていったのか、教えてくだサイ!

写真 マンション管理適正化診断でS評価マンションとなりました

写真 広報紙

 各区分所有者が本当に耐震化を求めているかを把握することが重要だと考えました。そのため、耐震診断に向け、意向調査を複数回行いました。併せて、座談会の開催や耐震化に係る広報紙を発行し、区分所有者の方々との情報の共有に努めました。初めての意向調査では提出率は49%でした。その後、情報の共有を重ねていき、半年後の意向調査では提出率が81%に高まりました。
 また、補強計画(工法選定等)を検討し、区分所有者が早い段階で概算工事費や戸当たりの負担額を把握できるようにすることは、合意形成を促進する上で重要な点でした。
 他にも、マンションの模型を理事会の役員自らが作成し、マンションのどの部分でどのような工事になるのか理解を深めてもらう取組も行いました。

図 耐震補強の検討比較表

図 耐震補強の検討比較表

写真 手づくり模型

写真 手づくり模型

 

―耐震化に向けた管理組合の体制で工夫したことを教えてくだサイ!

 耐震化の取組の途中で横道にそれずに、同じ方向を目指すことが重要と考えました。そのため、管理組合役員のメンバー(診断以降6名)は耐震化が終了するまで交代しませんでした。

 

―どのような耐震補強工事を行ったのか教えてくだサイ!

 耐震スリットを内廊下や外壁に新設するとともに、開口付き耐震壁を1階駐輪場のピロティ部分に新設しました。なお、耐震スリットは、内廊下での施工になるため、騒音や粉塵が低減できる工法で施工しました。

 

写真 耐震壁新設前

写真 耐震壁新設前

写真 耐震壁新設後

写真 耐震壁新設後

写真 耐震スリット新設 (施工後、設置したスリットが全く目立たない)

写真 耐震スリット新設 (施工後、設置したスリットが全く目立たない)

 

―耐震補強工事と同時に実施した工事内容も教えてくだサイ!

 ひび割れなどの躯体劣化部分やタイル、塗装部分の修繕・美装や、防⽔機能のない雨掛かり部分の防⽔改修等を行いました。併せて、劣化したアルミサッシを更新し、開口部分の断熱性向上させました。サッシの改修については、断熱性だけでなく、遮音性も高まり、省エネで快適な暮らしが実現しました。

 

写真 防水改修(パラペットのアルミ笠木)

写真 防水改修(パラペットのアルミ笠木)

写真 サッシの改修

写真 サッシの改修

 

―耐震改修工事等の施工会社はどのように決めたのか、教えてくだサイ!

 複数の施工会社に見積の提出とプレゼンをしてもらいました。プレゼンは、管理組合の皆様にもお声がけをし、参加してもらいました。選定にあたっては、共通化した項目ごとの工事費だけでなく、その会社の概要や現場代理人予定者等も比較、検討しました。工事費が安いという観点だけでなく、いかに適切に工事を進めてもらえるかとの観点も持つようにしました。

 

―資金計画をどのように検討したか教えてくだサイ!

 資金計画を検討するために、まずは長期修繕計画の見直しをしました。専門家に、修繕周期が12年、14年の異なる案の作成を作成してもらいました。そして、その内容を全体説明会で丁寧に解説していただき、区分所有者間で意見交換をしました。
 その結果、資金計画では、「修繕積立金は値上げしない」と「耐震改修と大規模修繕の同時施工」を基本方針にしました。
 修繕積立金の不足分は、住宅金融支援機構の「マンション共用部分リフォーム融資」で借り入れました。なお、工事の材料や工法は、借入額や返済期間を気に掛けつつも、マンションの長寿命化を第一に考え、長く使えるものを選びました。

 

―耐震化にあたって活用した支援制度を教えてくだサイ!

 耐震診断、補強設計や耐震改修工事費は、「墨田区分譲マンション耐震化促進事業」で補助を受けました。借入れについては、「東京都マンション改良工事助成制度」の利子補給補助を活用しました。補助金は資金計画の助けになり、区分所有者にとって安心材料になりました

 

―旧耐震基準マンションに必要なことについて、お考えを聞かせてくだサイ!

 耐震化が必要なマンションで長く住み続けるためには、安全性に加え、居住環境を向上させていくことも求められます。そこで、私たちのマンションは、耐震工事に併せて窓サッシの改修も実施しました。地震に対する安心感と断熱・遮音性の向上による居住の快適化を同時にかなえ、多くの居住者に喜ばれています。

 

―現理事長様からみた「耐震化を成功させた要因」を教えてくだサイ!

 当時の理事長の熱意と、副理事長のきめ細やかなサポートです。粘り強く進めることで「熱意」が伝わり、耐震化が達成できたのだと思います。さらに、この取組みの中で、マンション内にいいコミュニティが生まれました。 

写真 マンションとスカイツリー

写真 マンションとスカイツリー

写真 耐震壁を新設したピロティ

写真 耐震壁を新設したピロティ

 

本マンションの建物概要はこちら

 

『防サイくん』

理事会の皆様の粘り強く耐震化に取り組む熱意と、区分所有者の皆様との情報共有が成功のポイントなのですね。

貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました!

 

第7回 成城学園ビューハイツNEW!

 

防サイくんが行く!耐震化マンション訪問記
第7回 成城学園ビューハイツ(世田谷区)

 令和4(2022)年に耐震診断を実施した世田谷区にある「成城学園ビューハイツ」を東京防災公式キャラクターの防サイくんに訪問してもらいました。
 旧耐震基準で設計された建物であっても、現行の耐震基準を満たし、耐震性能を有するケースがあります。今回は、耐震診断を実施した結果、すべての階で構造耐震指標(Is)※の値等が判定値を大きく上回り、その強度や靭性等から耐震安全性を有するため、耐震補強は不要であると評定された、成城学園ビューハイツの取組をご紹介いたします。

※構造耐震指標(Is):地震力に対する建物の強度、靱性(じんせい:変形能力、粘り強さ)を考慮し、建築物の階ごとに算出します。


 今回は、耐震診断の実施にあたって、苦労した点や良かった点などを取組に関わってこられた理事長の児玉様にお話を聞いてきました!

理事長の画像

写真 今回お話を聞かせてくれた児玉さん

成城学園ビューハイツの画像

写真 成城学園ビューハイツ 全景写真

 

――耐震診断を実施しようと思ったきっかけを教えてくだサイ!

 背景は、各地で地震が頻発し近い将来に大地震が予想される中、旧耐震基準で建てられた当マンションとして一定の不安を抱えてきた、法令等に基づく客観的でしっかりした評価を確認したかった、ということにあります。
 住宅政策や社会的課題として、建替えや再生、敷地売却などが話題に上っていることも意識しました。災害が発生した時に、先ず自分たちが助かることを第一としながら自分たちのマンションが地域や社会に迷惑とならないように、という意識もありました。当マンションは、住宅と店舗による複合型マンションで、全6階のうち1、2階の店舗部分が天井の高い幅広のアーケード通路になっており、この構造は開放感と雰囲気で評判なのですが、耐震性は大丈夫なのだろうか、という点もありました。これらを含め、マンション全体の安全性を知るために耐震診断の検討を始めました。

1、2階店舗部分の画像

写真 1、2階店舗部分はアーケードになっています

 

―どのように耐震診断を進めていったのか、教えてくだサイ!

 様々な事業を進めていくためのサイクルである「調査、折衝、計画、契約、実行、総括そして今後に活かし改善、成長」といった基本的なプロセス、PDCAサイクルやシナリオプラニングを耐震診断にも適用しました。
 まずは、自分たちで調査し、区役所に行き、制度上の相談等をさせていただき、区のアドバイザー派遣制度を活用しました。管理組合だけでは、耐震診断を実施できる事業者の選び方や実際に耐震診断を進める方法など分からない部分が多いので、アドバイザー制度はとても助かりました。区の担当部署の方々には、マンション現地確認に来ていただく等、とてもお世話になりました。
 専門家のアドバイザーに図面や現場を見てもらったところ、現在の基準を満たしている可能性が期待できたこともあり、正確な評価を得るため精密診断の契約をし、実施してもらうことにしました。
 「耐震より建替えじゃない?」という意見はあると思いますが、「まず現実の構造や土台を診断して性能を知ろう」と考え、「仮に診断の結果が思わしくなかった場合は、仕切り直しをして議論する」、「診断の結果によって、補強の内容も変わり、当然費用も変わってくる、いくつかの展開を予め考えておこう」という、シナリオプラニングで考えました。

 

―耐震診断を検討する中で、居住者の方の反応はどうだったのか、教えてくだサイ!

 築年数が経っていることもあり、3年以上前から、修繕の課題と並行し、総会などで耐震性能に関する意見が出ていました。大きな地震が起きた時にマンションにどういった被害が出るか、といった資料などを共有化し、耐震化の必要性を皆で考えました。

 

―耐震診断を進める際の工夫した点を教えてくだサイ!

 区分所有者の合意形成はもちろんですが、実際に生活している皆様、賃貸の入居者やテナントの方々もいらっしゃいます。管理組合としての大切な心掛けとして、日頃から入居者や店舗の皆さんで良好なコミュニケーションをとれていたこともあり、「みんなで進めていこう」という方向付けをしました。理事会の議事録などは外部に住んでいる区分所有者の方々等にも常に発信を継続するなど、“情報のオープン”を方針としています。

 

―耐震診断の費用はどのように確保したのか、教えてくだサイ!

 資金的に必ずしも潤沢とは言えない状況でしたが、耐震診断の費用には行政からの補助金も見込めたことからご担当窓口で鋭意話し合いをさせていただき、自己資金と補助金との組み合わせが可能という前提で、修繕積立金会計の一環として資金計画を立てました。
 お蔭様で耐震診断の結果が良好な評定を得られたこと、これをベースとして、今後はさらに様々な設備修繕等に取り組んでいく、そのための中長期の資金計画等を自前で策定していく、という方針です。

 

―これから耐震診断をやってみたいと考えている皆さんへのアドバイスをくだサイ!

 多くの事業がある中、特に複数年にまたがるような案件では、取り組む人が代わっても、続けていける仕組みが大事だと思います。役員が代わっても、思い起こしの作業(時間ロス等)を過度には出さない、後戻りしない、取組が中断されない、目標に向かって責任や期限等を明確にして進む、これらを支えるシステムやフレームが大事です。この点では、長年、目標管理型のマネジメントシステム等を導入しています。一定の企業群や中央官庁のシステムが発祥でしょうが、地域やマンション運営等にも十分に適用が可能との考えで、各方面に発信しています。また、ネットワーク確保の点では、各種交流会などにも参加して、話を聞いたり相談したり、専門的知見や繋がりを広めることも有効と思います。
 私たちは、耐震診断を実施して、耐震性能があることが分かり、一定の安心を得ました。
 ただ今回の診断結果は、技術的に「耐震安全性を有する」「地震の震動等に対して崩壊等の“危険性が低い”」との判定であり、私たちの防災活動(自助・共助等、事前/直後/事後)の重要性に変わりはありません。災害に備え、私たち自らの準備と相俟って、共助、地域防災活動への参画も心掛けて行きたいと思います。耐震診断の結果は在宅避難等の可能性を後押しするものですが、肝心の“備え”を怠ると何にもなりません。これからも、持続的な建物・設備等の手入れと防災活動を通じ、さらに安全安心への取り組みを続けていきます。

 

―耐震診断をして良かったことを教えてくだサイ!

 何よりも結果が“安全安心”に繋がったことが第一ですが、耐震性能が担保されていることが客観的に明確になりマンションとしての資産価値向上にもつながることが期待されます。また、耐震診断に取り組む過程で、行政サイドや専門家の皆様との折衝やつながりは、意義深いことと思います。診断準備のため、図面などの再整備ができた等の副次効果、何よりも関わった役員等が自己のマンションの構造等に強くなれたことなどは、見えざる資産として、今後の事業運営に役立つと思います。

 

―耐震診断は、マンションの健康診断!自分たちのマンションの状況を知ることはとても大事ですね!災害の時の在宅避難など、防災活動も取り組んでいてとても勉強になりました!

 

 本マンションの建物概要はこちら

 

 

東京防災

東京防災公式キャラクター
『防サイくん』

問い合わせ先
東京都 住宅政策本部 民間住宅部
マンション課 マンション耐震化担当
03-5320-4944(直通)

 

ページトップへ